アラサー介護の戯言ブログ。

アラサー介護職(♂)の憂さ晴らしです。。

愛さぬ祖国の未来を憂う

 

 

地獄への道は善意で舗装されている。」

by サミュエル・ジョンソン(諸説有)

 

 

 

 

僕「俺は遺伝子的に完全に日本人だし、特に右翼でも左翼でも共産主義者でもないし、在日でも、カルト宗教の信者でもないけれど日本が好きではありません」

 

同僚(うわっ、誰も何も聞いてもいないのに、また一人で変なこと言いだした。やばいやばいとは思ってたけどやっぱりこいつヤヴァイ...)

 

同僚「僕くん、僕くん。ちゃんと今日の分のオクスリはのんだのかな?」

 

僕「そうやってすぐ人をアタマおかしい人扱いするぅ」

 

僕「だっておかしいと思わない?俺らは生まれた時から不景気で、就活しだした頃には非正規雇用が蔓延してた。いつの間にか格差社会の下層に推しこまれていて、夢も希望もない薄給重労働に生活を捧げている。上流階級や上の世代に搾取されながら必死に、自分たちにはあるかどうかもわからないのに他人の「老後」を支えている」

 

同僚「全部、自業自得じゃない?」

 

僕「今の子供達は親の収入に比例した教育を受けて、受けた教育の中での選択肢でしか将来を選べない。貧しい家の子は望んでも十分な教育を受けられないから結局、介護職やらみたいな低賃金の下層の仕事にしかつけない。世代を跨いで貧困が連鎖していく。六人に一人は貧困状態なんだってよ?収入と、婚姻できるできないは相関関係にあるから結婚できる人が減れば、シンプルに生まれてくる次世代も減っていく。そうすると当然、将来の税収や年金も減るから高齢世代が困る。労働人口が少なくなるから人手不足で労働者一人当たりの負担は増える。全てが悪化していく。なのに政府や上流階級は見て見ぬ振りして自分たちだけの豊かさと安楽さを追い求める。足元が崩れれば自分も奈落の底に落ちることからはひたすら目をそらしながら。」

 

同僚「日本がいやなら日本から出て行け!」

 

僕「いや、日本語しか話せないから無理だよ。外国にツテなんてないし。どうやって生きてけっていうのさ?」

 

同僚「清々しいほどのクズっぷりだね☆」

 

僕「どういたしまして☆」

 

僕「そろそろ、なにもかも未来に押し付けて彼ら(高齢者)に極振りするのやめにしない?いつまで若肉老食やってんのさ?日本は先進国(笑)の中でも、福祉にかけるお金はたいして多くもないし、子供や子育て家庭に対する支援系は最底辺なんだよ。」

 

同僚「い、今の日本があるのは高齢者様たちのおかげなんだぞっ!辛い戦争時代を耐えてきた人たちに尊敬や感謝の気持ちはないのかっっ」

 

僕「どした?何かに取り憑かれてるんじゃない?」

 

僕「そもそも戦争戦争ってやり始めたの彼らじゃん。軍部の暴走?シビリアンコントロールが機能しなかったから?天皇陛下のせい?ブロック経済でハブられたからやむにやまれず?欧米列強からアジアの植民地を解放するための聖戦?言い出したらきりがないけど、おっぱじめたのも彼らで負けたのも彼ら。莫大な負債と遺恨と呪縛を作っておいて、なんで被害者ヅラしてんの?世界相手に戦ってなんで勝てると思っちゃったの?」

 

同僚「.......」

 

僕「志と意思があった人たちはみんな戦場で亡くなったんだよね。いま、生き残ってる人たちは所謂「銃後の守り」だった人たちでしょ?戦後の焼け野原から今の日本をーってのもよく聞くけど、自ら招いた破滅の後始末じゃんさ。たられば言いだしゃ、きりがないけど過程がどうかは知らんけど、結果は結果だよね」

 

同僚「結局何が言いたいの?」

 

僕「破滅を食い止めたい。」

 

同僚「はあっ?」

 

僕「このままいけば遅かれ早かれこの国は滅びる。あと100年は保たないと思うよマジで。少なくとも今までの「日本」という形で存続するのは不可能だと思う」

 

同僚「お前はいつもいつも何目線で世界を見てるんさ?」

 

僕「俯瞰と客観と主観の真ん中くらいかな?」

 

同僚「意味わかんない...」

 

僕「その破滅の最前線にあるのが我らが「介護業界」なんよ。この国の社会と歴史(戦後の)と歪みと絶望と暗黒と搾取が濃縮された黒い花園。必死に「やりがい」やら「魅力」を叫んで数多の人間を地獄に引きずりこんでもまだまだ足りない。全体を生かすための(延命させるための)「必要な犠牲」として使い捨てられていく若者たち。このままでいて良いはずがないのに」

 

僕「いま、この国の労働者の割合は非正規が四割。ほぼ半分が確実な補償も権利もないままに働かされている。その仕組みを作った奴らが利益と旨味を啜りながら。世代別の人口分布がめちゃくちゃだから、数が多いつまり投票権の分母たりえる60、70、80台の高齢者たちの為の政策やシステムばかりが優先される、登り調子の時代を生きた「団塊」共やら、享楽の時代を生きた「バブル世代」とかいう馬鹿共と違って最初から不景気と残りカスだけだった、負債を担う俺たち嫌われ者の「ゆとり」が国や政治に対して良い感情ないのは当たり前だよね」

 

 

 

fin.

 

謁見と請願

閲覧注意

 

 

 

 

 

 

「生まれてきたからには、生きねばならない」

by誤薬の隠蔽を告発されて解雇された同僚(元 神主)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕「先日、夜勤明けに急に呼び出しがかかってカルト教団「死堕亞教」の高位聖職者である「不露津苦🦋(以下:🦋)」様と面談がありました」

 

同僚「俺ももうやったよ。前のその役の野郎が必死に社長だか会長のち◯こしゃぶりまくったおかげで「噛頭犯不🦋」ってのに昇進したんだよね。その後釜の元看護師のおばさんやね」

 

僕「「職員ノ意見ヲ聞イテ教団ノ環境ヲヨクシマショー」という形だけの面談(踏み絵)だよね」

 

僕「休憩なし、ぶっ続け13時間の後にさっさと帰りたいのにわざわざ拘束してやるところが本当に職員への思いやりを感じるよね」

 

同僚「うん。感じる感じる」

 

僕「覚えている範囲でその面談の内容を晒すね」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

🦋「職員全員に順番にやっているのだけど、日頃の仕事のことや人間関係についてあれこれ聞くから答えろ」

 

僕「はい」

 

🦋「職場環境の改善に関して何か言いたいことがあれば、聞いてやらないこともない」

 

僕「ありがとうございます」

 

🦋「ただ、」

 

僕「ただ?」

 

🦋「人手不足で大変だとか職員が足りないとかそういうのは無しだ」

 

僕「えっ」

 

僕(この教団の奴隷になってざっと22ヶ月くらいだけど俺より先にいた人も後から来た人も、もう10人以上辞めていってる....そこらへんのことも聞きたかったんだけど...)

 

🦋「なぜなら、私たち上層部は高い金を払って求人広告を出している。そこに応募してきて採用(パート)された職員が現場にいつかないのは、お前たち現場の職員の指導と努力不足だ。私たちにはなんの非も無い」

 

僕(あっ、そういう認識なんやね。辞めていった人たちはみんな正社員で求人出てたのに実際パート採用だし、残業代も出ないし、タイムカードもないし納得できないって言って辞めていくのに...)

 

🦋「なにか文句でも?」

 

僕「いや....」

 

僕「施設が開設されてからいる職員たち(通称:立上げメンバー様、最初から正社員)と、後から入った自分たち(通称:下の者、パート職員)との格差が酷すぎます。そもそもなんで事務員や相談員やリハビリ(いない)や看護師は最初から正社員雇用なのに介護職員だけパートで正社員になるのに何年もかけて※何重もの試験があるんですか?」

 

 

※スキルⅠ、スキルⅡ、リーダー試験、主任試験、トレーナー試験、etcetc....

 

 

🦋「それは会社への貢献や入居者様からの信頼を得てから...」

 

僕「会社への貢献?毎日毎日、早番から遅番(6:30〜19:30)まで通しで働いてカルテの記載やらレクの準備やら諸々の報告書やら月末の締めやら監査の対応やらは無給でやらされてるのに貢献してないと?タイムカードもなくて勤務時間わざと把握しづらくしてるくせに?」

 

🦋「事務員がしっかり把握して記録しています」

 

僕「全く信用できない。労基署からも監査が入って改善命令が出たのにそれは「労基署と我が社との見解の相違」とか言ってましたよね(実話)」

 

🦋「違法なことは何も無い」

 

僕「介護だけパートに縛り付けるのはいいように使い潰して辞めてもらうのが一番安上がりだからだろ?人員が足りていないから毎日通し(朝〜夜)まで働かせるにしても正社員にしたら賃金がコスパ悪い。パートのまま安く使い潰すのが一番効率的だから」

 

🦋「ぐぐぐっ」

 

僕「立上げメンバーだっていって、踏ん反り返ってるぶくぶく肥え太った醜いオバヘルたちも自分たちは固まってくっちゃべってるだけで働きもしないし面倒臭いことや嫌な仕事はみんな下の者(後から来た連中)に押し付ける。それに頭きてほとんどの職員は辞めていくんだけどそれすらわからないんですよね?「ここは立ち上げは優秀だけど跡が育たない」だってさwwwwwwwww」

 

🦋「あの人たちは苦労を共にした..なんたらかんたら...」

 

僕「夜勤手当(深夜手当)は毎月5.6回夜勤に入って総額で6〜7,000円程度。夜間のオンコール対応だといって名前だけ載せている看護師は、家で寝ているだけで一晩2,000円ずつ手当が入る。なにこれ?」

 

🦋(元看護師)「それでも看護師には安すぎる。介護職程度とは立場と責任が...」

・・・・・・

 

 

〜〜〜60分経過〜〜〜

 

 

 

僕「まぁざっとこんな感じ。実話です。脚色してないです」

 

同僚「食ってかかりすぎじゃね?攻めすぎじゃない?」

 

僕「この会社じゃなんの評価にもならないけど国試持ってるからね。辞めようがクビになろーが行くあてなんかいくらでもあるからサ」

 

同僚「なんでお前はここに勤めてるんだよ....」

 

僕「それみんな(家族や友達)に言われる。通勤しやすいから?これでも上品で介護臭さが無い「春の陽だまりのような」施設の上場企業なんだってさ。正直登る山、間違えたなってのは自分でも思ってるんだけど、たぶん下山するにはきついとこまで登っちゃったんだよね、3合目くらい?職種自体が。また麓まで降りてまるっきり別の山に登るには体力も気力ももぅ無いんさ。そこは自分次第なんだけど。せめて、自分の身を自分で世話する為だけでも仕事はしないわけにいかない。なんで勤めてるのって聞かれたらそれが理由かな。少なくとも自他共に誰よりも真面目にキッチリ働いている自負はあるよ」

 

同僚「自己評価の虚しさよ...レイシストペシミストでエゴイストなんだね」

 

僕「うっさいわ!」

 

 

 

fin.

 

 

貧困と未婚のマリアージュ

僕「あー...憂鬱」

 

同僚「どーしたの?いつもだけど今日はなおさら顔が死んでるよ?」

 

僕「んー?今年の半ばに妹の結婚式があるんさ」

 

同僚「おぉ!おめでとう!めっちゃいいことじゃん。確か去年の夏にも弟くんの結婚式あったよね?」

 

僕「そうそう。弟も妹も立て続けに結婚したんよ。弟はデキ婚やけどね」

 

同僚「あれ?長男の僕は..??あっ(察し)」

 

僕「そーだよ!独身だよ!!アラサーだけどね!結婚どころかカノメ?やらコイエ?やらにだって全く縁が無いさ」

 

同僚「なるほどね。あまりにも関わりがなさ過ぎて彼女(かのじょ)も、恋愛(れんあい)も漢字すら読めないんだね」

 

僕「そーだね。もちろん兄弟の結婚は嬉しいよ?妹も弟も、姪っ子ちゃんも大好きだしね」

 

僕「だけどあの苦痛を...あっちの親戚(弟の奥さん)のご両親やら親族やらが「お兄さんも頑張ってくださいね!お兄さんも頑張ってくださいねっっ」ってガンガンくるんよ」

 

同僚「まぁそうなるだろうね。」

 

僕「「ええ...はい。」以外になんて答えればいいのさ。「お仕事何されてるんですか?」って聞かれて「あっ..,介護福祉士です。老人ホームに勤めてます」って答えたときのあの表情....」

 

同僚「とても「パートです」とは言えないしね」

 

同僚「.....たしか、僕の家は離婚やら死滅やらで一族めっちゃ少ないんだよね?式が始まる前の両家の挨拶の時に、相手の家の出席者は2、30人いたけど、弟くんの方はお父さんと、兄の僕と、姉の妹ちゃんの三人だけだったんだよね?」

 

僕「その通りだけどよく知ってるね。その新婦側の親戚の反応ときたら...」

 

僕「「あっ...(察し)」だよ。そもそも介護やってる男で結婚してる人って現場レベルだと本当に見たことないんだけど(実話)」

 

同僚「??そりゃそうでしょ。男の場合、人格やら、性質やら、コミュ力やら、容姿やら、体格やら、社会的な立場やら、収入やらが所謂「モテるモテない」の要素なんだろうけど、俺たちってその中の何か一つでも持ってる?特に結婚となると当然「収入」のファクターは大きくなるけどそのすごく重要な部分が俺たちは著しく低い。」

 

僕「怒涛の勢いで自分たちの首絞めるのやめてくれない?」

 

同僚「なんだかんだ言っても結局、雌っって何万年も前から自分のところに、より多くの木の実や果物や獲った獲物を持ってきて、立派な巣を作れる雄と交尾するんだよ。それが出来ない雄は劣等種だし淘汰されて朽ちていくのが動物として当たり前なんさ。今はただ「木の実や果物や獲物」が、「紙幣と硬貨」に置き換わっただけなんだし」

 

僕「自分で自分にナイフ突き立てるのやめーや。僕らはまだジャングルだった頃から変わらない愛の形 探しているんじゃ無いの?」

 

同僚「世代だね!」

 

僕「うろ覚えだけど、生涯未婚率(男女ともに50才までに一度でも結婚したかどうかの比率)が男で23%、女性で14%って爆上がりなんだってさ。しないのかできないのか。そんでもって離婚率は約31%。3組に1組の夫婦は離婚している計算。」

 

同僚「目測だけどこの業界(介護職)って離婚歴あったり、シングルマザーな女性と独身の男がすごく多いよね」

 

僕「よく「介護は女性多いんだから相手困らないでしょ?」って言われるけど、介護職の女性は、介護職の男のことよく知ってるから絶っっっっ対にしないし選ばないよね。周りには医療職やらリハビリ系やらモテそうな職種の男たくさんいるしね。介護職(女)×他業種(男)は多いけど介護職(男)×(     )だからね」

 

同僚「多少、卑屈やけど間違ってはいない」

 

同僚「そもそも人口的にみた男女の比率もオトコが余ってるわけだし、この国の全女性のうちの50%は50才以上なんだってさ。残りの50%の中で未婚で適齢期な人たちはどのくらい?数が少なければ少ないほど価値は上がるし値段も高くなるんだよ?彼女たちは有り余ってる選択肢(未婚の男)の中から自由に上澄みから選んでいけばいい。俺たち下層の雄がどれだけ望みないか誰でもわかるでしょ?」

 

僕「お前は算数大好きかよ...」

 

同僚「お前の女嫌いよりは好きかな?」

 

僕「嫌いというか苦手。少なくともフェミニストではないかな....例えばディズニーランド行くたびに骨折したり、お寿司食べるたびに食虫毒になる奴がいたらそいつはディズニーランドやお寿司のこと好きになると思う?」

 

同僚「回りくどいけど的確な例えだね。要は、関わって成功体験がないし嫌な思いしかしたことないから女性が苦手なんだよね。当然向こう側からじゃ相手にもされないし。フェミニストではないし、どちらかと言えばペシミストレイシストだよね」

 

僕「あんまり難しい言葉使わないで?なにかもう今更、女様に媚びを売ったところで、得るものがなにも無い。無駄な消費とストレスと不快感と絶望感を味わうだけ。うん。自分でも負け犬の理屈なのはわかってるよ」

 

僕「仮定の話だけど、シャカリキに婚活して、無理くり結婚してそのあとどうするの?ずっと貧乏だよ?子供なんて生れようものならすごく辛い思いさせるよ?」

 

同僚「それは一理あるかも。俺らの給料って俺らの頑張りやら努力じゃなくて国からの税金やら保険金やらと、それらの「加算」の上積みだからね。元々の値をべらぼうに低く設定されてるんだから結局、俺ら(介護職)が低収入なのって「造られた貧困」なんじゃないかとたまに思わなくもない」

 

僕「数十年前みたいに男女どちら側からも結婚しなきゃ生き辛かった時代ではもうないしね。女性も普通に自分で稼げばいいし家事やらなんやらの負担だって著しく少なくなったしね」

 

同僚「進歩しているのか劣化しているのか微妙なところだよね」

 

僕「それでも介護職の男でも結婚してる人だって中にはいるし、一生懸命子育てしてる人たちだって大勢いる。「でも」と「だって」は、言い出したら際限ないし周りのせいにして誤魔化したって「酸っぱいブドウ」のキツネと変わらないからね」

 

同僚「無理やり捻り曲げて締めたね」

 

僕「戯言だからね」

 

 

 

fin.

死に方の決め方。①

 

「人間は魂の心の 意思の 生き物だ」

by ドイツ第三帝国 NSDAP私兵集団

武装親衛隊吸血鬼化装甲榴弾兵戦闘団

「最後の大隊」 少佐

 

 

 

 

ピーポーピーポー

ピーポーピーポー

 

施設長「かくかくしかじか。」

 

救急救命士さん「がってんしょうち!」

 

ピーポーピーポー

ピーポーピーポー

 

 

僕「最近多いね、救急搬送」

 

同僚「そーだね。特に誤嚥したわけでも転倒したわけでもないけど、熱発したり意識消失したりで運ばれる人がすごく多い」

 

僕「冬だからね、ここは寒冷地だし1、2月なら最低気温がマイナス二桁なのもザラだし、浴室や脱衣場でヒートショックっつって亡くなる人も珍しくないからね」

 

同僚「雪はあんまり降らないんだけどね」

 

僕「昨日まで隣の席に座ってた人が次の日になったら居なくなってる...「あの人どうしたの?」って聞かれるとちょっと答えづらいよね」

 

同僚「入居した時には元気に歩いていた人が、だんだん歩けなくなって車椅子になってベットから起き上がれなくなって最後には.... 元々病院勤務だった僕は慣れてるの?」

 

僕「老健にいた時も病院にいた時も確かに亡くなる人は大勢いたよ。この仕事してりゃ遭遇するのは当たり前。やり始めの頃は確かに手が震えたり泣いたりもしたけど最近じゃ、もうそんなにダメージないかなぁ」

 

同僚「さすが冷血人間やな」

 

僕「よく言われるよ。産まれてきて生きて死ぬ。当たり前のことだからね。俺らはその「死」の部分の領域に、二番目か三番目に近いところで働いているんだから」

 

同僚「うちに入所してきた人の中で最初は「どんな状態でも生きていたい」っつってたじい様が、周りの認知症や寝たきりの人たちの様子を見て知って「もし俺が倒れたら、延命とかはしないでくれ」に切り替えてたよ」

 

僕「言い方悪いけど、何もかもわからなくなって奇声あげながら徘徊してそこら辺でズボンやパンツ下ろしてウンチしたり、半死半生のままベットで寝たきりになってる人を実際に目の当たりにしたら自分がこうなりたい!って思う人はなかなかいないだろうからね。自分や自分の身内に置き換えて考えてごらんよ」

 

同僚「.........確かに。自分の親や配偶者や子供や兄弟なら「とにかく生きていてほしい」と思わなくもないけれどもしも自分自身だったら....自決の道を考えなくもないよね」

 

僕「人生の最後や所謂「死に方」を徹底的に忌避する気持ちもよくわかるけどいざ「その時」を迎える前にやっぱりしっかり考えておいた方がいいと思うんだよね。終活ってやつ?」

 

同僚「その為にはいろいろ知っておいた方がいいことはたくさんありそうだね」

 

僕「最近じゃ「終活アドバイザー」とかいう如何わしい資格もあるみたいだしね」

 

同僚「誰もがPPK(ピンピンコロリ)というわけじゃないし、そもそもそんな人滅多にいない。俺たちが今まで見てきた数百人の老人たちの中でも両手の指の数はいなかったな」

 

僕「自分らの世代からじゃ想像もつかないような、貧しい時代や戦争体験、経済成長の時代を生き抜いてきた人たちなんだから、人生の最後くらいは満足に過ごして逝ってほしいものやね」

 

同僚「その「満足」を、満たすための「源泉」がどこから出てくるのかが問題なんだけどね」

 

僕「今回はそこらへんはよそう」

 

 

 

 

プレゼントはパンドラの匣

 

泥人形の女が携えた、災厄の贈り物。

 

 

 

 

*「対象の直腸内に高エネルギー反応!ヤバイっ放出されますっ!」

 

*「まずいっ!パッド当ててっっ」

 

*「んあいいいいいいいっんひぃいいいいいいいいっ!!」

 

ぶりぶりブチュブチュぶりぶりブチュブチュドババババァっ

 

*「七重ある装甲を一撃で...これが最強の"拒絶タイプ(介護拒否型)"か...」

 

 

 

 

 

僕「いやぁぁあ。久々にあんな便失禁みた。背中の方までだだ漏れで肩の下あたりまでビッチャビチャ。全更衣+シーツ交換。便汚染した衣類も洗わないとね」

 

同僚「3,4日、出てなかったんだよね。ラキソベロンプルゼニドか酸化マグネシウムアローゼンかカマーかレシカルかぶち込んであったんだろーね」

 

同僚「ジェットストリーム大便アタックされた感じ?」

 

僕「どちらかというとアトミック大便バズーカ食らった感じ」

 

僕「そんでもってあっちとこっちも便失禁。後手後手やから昼食の準備が出来ていない」

 

同僚「だだでさえ人少ないけど土日はさらにね。もう冬休み始まってるらしいから、家族いる人たちはまとまった休みとる人も多いしね」

 

僕「清掃や、看護やらの人たちやね」

 

同僚「年末年始、お盆、GW、何それおいしいの?な俺たちには関係ないけどね」

 

僕「ですね。今日出てきてた若い娘(27歳)は、「友達は彼氏とデートしたりみんなでディズニーランド行ったりしてるのに私は何してるんだろ..」って呟いてたね」

 

同僚「まず27歳が若いかどうかから議論になるけどそれは置いといて、世間が休みの時期になるといろいろクルものはあるよね」

 

僕「あるね!」

 

同僚「なぜ俺たちはクリスマスに大便の話しばかりしているんだろう?」

 

僕「年末年始はただでさえ普段より人(職員)いないのにやらなきゃいけないことやイベントがたくさんなんだよね。」

 

同僚「雲の上の上層部様に、「僕たちこんなに一生懸命、ご利用者様に尽くしてますよ」アピールしないといけないから」

 

僕「殺伐さを作り笑いの下に押し隠してね....」

 

同僚「親族やらの訪問も増えるから注文やクレームも倍プッシュ」

 

僕「いつも不思議でしょうがないのだけれど、彼らはなんであそこまで横柄かつ尊大に振る舞えるのかな?」

 

同僚「そりゃあ、もちろん「お客様」だからだよ。部屋の暖房の温度上げろだの、床に埃が落ちてるから拾えだの、加湿器に水入れてこいだの、自分で指を動かせば済むことにわざわざナースコールで俺たち(介護)呼ぶからね」

 

僕「目の前に、エアコンのリモコンも水道の蛇口もあるのにね」

 

同僚「休みとってる他の職種(看護や事務やら)も、「私たちが普通に休みとるのは当たり前、お前ら介護は無いのが当たり前」みたいな感じだしね」

 

僕「勤めてるから何一つ文句言える筋合いはないんだけど、なんでここまで俺たちは扱いも待遇も酷いのかな?」

 

同僚「「だったら辞めるなり休みとるなりすれば?」と思われるのが当たり前だけど、そうするとあれこれ破綻するのが目に見えてるから出来ないというか....しないんだよね...」

 

僕「....もしかして逆に、俺たちって真面目すぎるんじゃないのかな?世間からは見下されて馬鹿にされまくってるけど、自分たちばっかり負担や世の中の割を食う必要ないんじゃないの?」

 

同僚「彼ら彼女らは、手の掛かる要介護や認知症老人たちを「知りません、わかりません、出来ません。」っつって俺らに押し付けていられるから安穏とクリスマスやお正月を過ごせてるわけじゃん?」

 

僕「もしも、全国に数十万から数百万人いる認知症や要介護老人たちが街に溢れ出たら、交通やインフラや警察や消防なんかの社会基盤は簡単に崩壊するよね。介護離職なんてレベルの損害じゃなくなる」

 

同僚「いまはまだ「施設」や「介護職」っていうストッパーがそれらを食い止めているけど後数年でそれを抑えきれなくなるのは目に見えているんだよね。介護職は、政府の甘い試算でも37万人?足りなくなるわけだし」

 

同僚「お国はこれ以上お金かけたくないから、「介護は病院や施設から地域へ!」って謳ってるしね。リアルバイオハザード状態はもう間近だねっ!」

 

僕「下らない例え話だけど、今までは必死に支えて持ち堪えさせていた「パンドラの匣」の蓋があと少しで開く。中に閉じ込められていた「厄災」たちが世界に飛び出していく」

 

同僚「匣の底に残るのは「希望」じゃなくて糞尿まみれの脱ぎ捨てられた衣類なのは間違いないだろーねwww」

 

 

 

 

fin.

冬の新作映画 2017版

僕「話題の映画を観てきたよ」

 

同僚「なになに?」

 

僕「カイゴ・ウォーズ エピソード8 最後のヘルパー!!」

 

同僚「それどこの映画館でやってんの?」

 

僕「前作のエピソード7 夜間の覚醒は当然チェックしたよね?」

 

同僚「それどこの世界線の話?」

 

僕「「尿意と共にあらんことを」が口癖で介護施設から離設した認知症老人のルーク爺さんを銀河系のみんなが大捜索するんさ」

 

同僚「...若干寄せてきてるんだね」

 

僕「その前に離設した認知症の依田(ヨダ)爺さんは沼地で白骨化して発見されたもんだからね。棒状のものを手にヘルパーに襲いかかってくる厄介な老人だったんだよ」

 

同僚「その人はマスター的ポジションだったんだね!」

 

僕「介護の暗黒面(ダークサイド)に堕ちた悪しきヘルパーのカイゴ・レンと入所初日から「もう辞めたいもう辞めたい」って呟いてた期待の新人介護職のモー・ダメロンのバトルが見所なんだ」

 

同僚「びっくりするほど興味ない」

 

僕「....のはずだったんだけどモー・ダメロンはさっさと裏切って帰ってこなかったんだ!施設の送迎車を盗んで姿をくらませたんだよ!」

 

同僚「衝撃でもない展開!!」

 

僕「途中で知り合ったルーク爺さんの旧友のハン爺さんと一緒に捜しに行くんさ。便失禁の片付けが嫌で巨大介護施設から逃げ出してきたEPAのヘルパーの青年も一緒にね」

 

同僚「ぐっちゃぐちゃやね」

 

僕「青年は介護職としても使い物にならないから施設の清掃ばっかりやらされていたんさ。」

 

同僚「たまにいるよね」

 

僕「なのに出会った仲間たちには「自分はケアマネだ」って言い張ってたんだよね。最後は敵のヘルパーが投げつけてきたオムツが直撃して昏睡状態になるんよ!!」

 

同僚「ほーん」

 

僕「最後は連れ戻すのかったるくなったから海沿いの崖っぷちに突っ立ってたところを発見したルーク爺さんを海に突き落として終わったんよ」

 

同僚「あれ?なんか丸っこいロボット出てこなかったっけ?」

 

僕「丸っこいロボットはかなり始めのほうで、さっさと中古屋みたいなところに売却されてるから物語には関わらないんさ。売却で得たお金は全額パチンコで溶かしてたよ」

 

同僚「女の子出てこなかったっけ?」

 

僕「よく知ってるね。その娘も途中で知り合って仲間に加わってるんだけど介護職として計り知れない潜在力をもってるんさ......」

 

同僚「これほど価値のない潜在力もそうそうないよね」

 

僕「エピソード8 最後のヘルパー だと正社員雇用だよって騙して施設で働かされていたその女の子以外の職員が全員バックれちゃうんだ!」

 

同僚「よくあるやつぅ〜」

 

僕「施設に取り残された90人の要介護老人を前に途方にくれていたその子は、介護の暗黒面から立ち戻って准看護師になっていたカイゴ・レン改め、カンゴ・レンの導きで自分も看護師の道に進むんよ!」

 

同僚「めっちゃハッピーエンドやん!」

 

僕「そんなこんなで最初は7,8,9の三部作になるはずだった今回のシリーズは二番めで終わったんさ」

 

同僚「興行収入はどのくらいあったんだろーね?」

 

僕「全世界累計で1,800円だったらしいよ」

 

同僚「あっ!地球全体で観に言ったの僕1人だけだったんだね!」

 

僕「来年度分の介護保険の予算を全額注ぎ込んだ超大作だったのにね」

 

同僚「よく全米が泣いたっ!とかって宣伝してるけどこれは全米が鼻で嗤ったんだろうね」

 

 

 

 

fin.

番外編 介護スナック 「認知棟」

僕「介護職じゃ食っていけないから死堕亞を辞めて介護スナックを始めたよ。介護スナック「認知棟」。高齢者と認知症のひとを対象とした飲み屋さんなんだ」

 

同僚「あー、「認知症カフェ」とか流行ってるもんね。ここら辺は老人の老人による老人の為の過疎地域やし需要あるんじゃない?」

 

僕「独居老人が孤独死してた空き家を使わせてもらってるんだ。たまにお客さんから金縛りにあうとか、誰かに足を掴まれたとか、耳元で呻き声がするとか言われるけど多分気のせいだね」

 

同僚「ですね!」

 

僕「マーケティングはバッチリだよ」

 

僕「まず入店するには本人とキーパーソンの「もし、お酒を飲んだりその他諸々のことで店内で突然死んだり、救急搬送されたりどんな状態になっても一切文句は言いません」っていう同意書へのサインが絶対条件なんだ」

 

同僚「ゆき届いているね」

 

僕「めちゃくちゃ山奥にあるから救急搬送された場合、最寄りの病院まで最短でも1時間かかるんだ」

 

僕「営業時間はAM4:00〜PM22:00。夜間の徘徊や異様に早起きの彼ら彼女らに合わせてるんだ、介護者の家族も「最後の晩餐」とか言ってもりもり要介護老人達を連れてきてくれるんよ」

 

同僚「夜間の労働(徘徊)明けの一杯は格別だろーね!」

 

僕「ビールにもとろみ付いてるから全くゴクゴクは飲めないけどね」

 

僕「お通しはお餅!」

 

同僚「腹持ちがいいね!」

 

僕「しかもラキソベロン20滴までは無料サービスなんだ」

 

同僚「優しい配慮だね」

 

僕「お客さんは経口摂取が可能な人ばかりではないから、ホステス(オバヘル:無資格)が点滴を繋いで血管に直接ウォッカテキーラを投入したり、胃瘻に経管栄養をぶち込んだりしてくれるんだよ」

 

同僚「幅広い客層に対応してるんだね」

 

僕「話題のデカ盛りメニューもあって、お餅盛り合わせ(2.5㌔)を五分以内に完食すると葬儀場と火葬場の無料サービス券が貰えるんだ」

 

同僚「地域と連携して高齢者を見守っていくのってとても大切!」

 

僕「いまのところ達成した人はいないけど参加してくれた人にはみんなに無料サービス券を配ってるんだよ」

 

同僚「なぜだか急に必要になったんだね!理由は全く不明だけど」

 

僕「年金支給日には全メニュー価格三割増し!お通しのお餅二倍!」

 

僕「奥にVIPルームがあるんだけどそこには要介護3以上の選ばれし者たちしか入れなくて、なぜだか一度中に入った人は二度と出てこないんだ....」

 

同僚「不思議だね」

 

僕「お財布が心もとない人の為に会計が心配ならホステス(オバヘル:前科有り)が通帳と印鑑を預かって銀行でお金をおろしてきてくれるんだよ!」

 

同僚「優しい心遣いだね」

 

僕「盛り上げ役のホストがいて一緒にカラオケをしてくれるんだ。54歳の中年童貞の田中さん(鬱病)が昔懐かしの軍歌か般若心経を熱唱してくれるんだよ」

 

同僚「O・MO・TE・NA・SHIの精神やね」

 

僕「田中さんはよくお客さんとトラブルを起こして「表でろ」って言われるんよ」

 

僕「価格もリーズナブルで入店料が1人¥200,000から、基本的に時価だけど生中がだいたい¥40,000かな」

 

同僚「お金持ちな老人たちには妥当な値段だね!良心的!」

 

僕「じぶんがいま、何頼んだとか会計幾らかとかは全く把握できないだろうから全部お店側で管理してるんさ。河川敷の橋の下で40年間修行したシェフの自慢の料理が自慢なんよ」

 

同僚「自慢の料理が自慢?」

 

僕「一番人気は「シェフの気まぐれセット(¥60,000)」で代表的なメニューは、「そこらへんの草」と、「お皿に乗っけた丸めたティッシュ」なんだ。ちなみに今日は気まぐれでパチンコに行っちゃったよ。勤務時間内なんだけどね」

 

同僚「シェフのこだわりと技術がお皿に凝縮されているね!」

 

僕「二号店の介護BAR「誤薬」と、3号店の介護レストラン「身体拘束」も続々オープン予定なんよ。地域に根ざしながらお客さんの笑顔の為にもりもり拡大していきたいんだ!」

 

同僚「意識他界...意識たかいね!」

 

僕「車でお越しのお客さんのために代行サービスがあって帰りはタクシー(運転手は認知症。免許証返納済、94歳)か、霊柩車も手配できるんだ。お土産も付いてきてお餅か玉手箱かのどちらかから選べるんよ」

 

同僚「これはもう常連になるしかない!!」

 

 

 

 

 

fin.