僕「とんでもねぇビックビジネスを思いついてしまった!」
同僚「ほーん。どんなん?」
僕「名付けて....!!」
同僚「名付けて....??」
僕「宇宙介護!!!」
同僚「馬鹿なの?」
僕「いやいやいやいや!なに言ってんの?超名案だよ!!あらゆる分野に革命が起きるよ?」
同僚「......具体的にどんな?」
僕「地上に溢れかえっている要介護老人たちを宇宙に打ち上げるんさ!始めに、衛星軌道上に宇宙老人ホームステーションを建造するんさ。設備が整ったらそこにロケットに搭載して要介護老人たちをばんばん打ち上げる!そんでもって宇宙介護士たちに宇宙の無重力状態の中で宇宙介護されるんさ!正にゼロ・グラビティ介護!!ひーはー」
同僚「なるほど。確かに介護の重労働の原因の1つはトランス(移乗)や移動、リハビリなどによる要介護者自身のウェイトに依るところが大きい」
僕「無重力下の宇宙では要介護者、ひいては自分自身の体重や転倒のリスクをかなり抑えることが出来る!!」
同僚「身体にかかる加重を減らせれば腰痛やヘルニアのリスクも減らすことが出来る....」
僕「常に無重力下の状態の中では「利用者様の安全管理」の名目で例えばベルトを着用させたり、繋ぎ紐を用いてどこかしらに固定したとしても不自然ではない..!」
同僚「一度、打ち上げてしまえば莫大なコストをかけて地上に帰還させようという家族もなかなか居ないだろうからベットの空きも塞ぐことが出来る!!....まさしく「生きたまま昇天」!」
僕「そのキャッチフレーズ貰っとくわ」
同僚「しかも無重力下での人間の身体の老化スピードは地上の数倍から数十倍!当然年齢が上がるにつれて比例していくから打ち上げられた老人たちはあっという間に老い衰えていく!」
僕「介護期間の大幅な短縮は即ち、介護保険の圧倒的削減!!」
同僚「圧倒的...圧倒的さくげん!!」
僕「そんでもって最後は宇宙介護→宇宙葬の流れで遺体は大気圏内に放出。流れ星となって突入する際に燃え尽きて消滅します」
同僚「パパママが子供に言い聞かせていた「おじいちゃん/おばあちゃんはお星様になったんだよ」をここまで文字通りに再現できるなんて..!!」
僕「死後の葬式費用もほぼ0、いらない遺品も一緒に廃棄すれば勝手に燃え尽きて消滅してくれる。最後は大宇宙と一体化するという最高の人生の終わらせ方。」
同僚「圧倒的...圧倒的、一体感!!!」
僕「「227号室の◯◯さんは狭い施設の廊下ではなくて最後はお空を徘徊して逝ったのよ」なんて会話が交わされる日も近い。」
同僚「....なんてロマンチックなの(うっとり)」
僕「老人を一掃した地上では介護に関わるあらゆる問題が解決。経済は競争力を取り戻し日本は世界のトップに帰り咲く。」
同僚「こいつぁ安倍政権も黙っちゃいねぇ!!」
僕「宇宙開発による技術の進歩と雇用の拡大。経済発展、莫大な数の老人の対応に介護問題の解決」
同僚「たったこれだけのことで日本が抱えている問題が一挙に解決だと....」
僕「やらない手は無い!」
同僚「....待って..これってそのまんまガ◯ダムの宇宙世紀の始まりじゃない?」
同僚「宇宙老人ホームステーションがジジぃオン公国を名乗って地球に宣戦布告してくるんじゃない?」
僕「車椅子に乗って「白い白髪」や、「赤い剥製」を名乗る老人たちや「足なんてただの飾りですわ」とかいう糖尿病患者や、「ソロ夜勤の悪夢」と呼ばれる重度の認知症との戦いが始まるね。」
同僚「ダメじゃん。占領されてコロニー(宇宙老人ホーム)地球に落とされたら終わりじゃん」
僕「地球は汎用人型決戦兵器で防衛するから大丈夫。幾重にも張り巡らされた装甲(オムツとパット)で鉄壁の守りを誇るんだよ。」
同僚「なんの話ししてたっけ?」
僕「ちょっと、NASAとイーロン・マスクに売り込んでくるね!」
fin.