〜とある休日〜
僕 てくてくてくてく
僕(あっ!前から歩いてくるのは小・中学校の時に同級生で今はまったく面識のない◯◯君のお母さんだ!)
僕 てくてくてくてく
◯母 てくてくてくてく
僕「あっ!」(ぺこりんこ)
◯母「あら!」
◯母「あらまぁ、◯◯区の◯◯さんちの僕君よねぇ」 にこにこ
僕「はい!こんにちは」
◯母「元気にしてる?ご兄弟はお元気?」
僕(くっ...ここで弟が結婚しましたとかの話しをしたら確実に自分の結婚にも触れられる..!!スルーだ!)
僕「はい...お陰様で特に変わりなく...」
◯母「もう結婚なさってるの?」
僕「.....!??」
僕(なん...だと...ノーモーションで不意打ちで切りつけてくるだと....)
◯母「うちの◯◯は◯◯高校(地元の進学校)出た後に東北大学に進んで今は、県庁に勤めてるのよ。おととし結婚して去年、女の子が産まれたわ。私も、もうおばあちゃんだわ。おほほほほ」
僕(くっ....言えない!!地元の底辺高校出た後にFラン私大に行って、しかもその後に何回か転職して今はパートでうんこ取り(介護)やってるなんてとても言えない...いっそ奇声をあげながら横の車道のトラックの前にダイブするべきか...!!)
僕「やっ....まだですけど..」
◯母「あらぁ〜 じゃあ頑張らないとね!」
僕(くっ....そもそも資格取っても正社員にもなれないしうんこ取り(介護)のクソみたいな給料で結婚とかありえないだろ...結婚の前段階の相手見つけるのも不可能なのに...まだツチノコとかの方が発見の確率高いわ)
僕「あははっ...」
◯母「子供とか欲しくないの?」
僕(くっ...なんなの?なんなのこのおばさん?どんだけ食らいついてくるの?猟犬?もう瀕死なんだけど?HP0なんだけど?ここは奇声をあげながら頭を足元のアスファルトに打ち付けて血を吹き出しながらビクンビクン痙攣でもすれば立ち去ってくれるかな?)
僕「特に考えてないですね...」
◯母「あら....そうなの?頑張ってね。」
僕(頑張る?何を?)
◯母「それじゃあさようなら。」
僕「はい!さようなら」
スタコラサッサ
僕(あーぁ、でもただの普通の会話だよね。自分の歳(アラサー)なら結婚してて子供いて当たり前だし、周りも半々くらいだし。◯◯君、昔はよくうちに遊びに来て一緒にスーパーファミコンとかやってたな..県庁勤務かー凄いな。ボーナスとかあるんだろなー。同じ歳なのに、同じ時間生きてきたのに、かたや妻子持ちの公務員(エリート)かたや介護職(パート)。苦労して介護福祉士とったけどこれなんか意味あるのかな?www)
....頑張れ頑張れってそんなに怠けてみえるのかな?
賞賛されたいわけじゃありません。
尊敬されたいわけじゃありません。
贅沢がしたいわけじゃありません。
ただ、普通に暮らしていたいだけなんです。
漆黒の海底から浮き上がるにはどうすればいいんだろう?
でも、グロテスクな深海魚は暗い海の底でしか生きられません
無理やり海面に上がると水圧の差で目玉も内臓も飛び出て死んでしまいます
明るい太陽の下で暖かい珊瑚の海で活気に満ちて泳ぎ回る優雅で綺麗な熱帯魚や人気者の愛くるしいイルカにはなれません。絶対に
棲み分けざるをえなかったその場所でせめて人並みの暮らしがしたい
ただそれだけです。