いま、多くの研究者がめざしているもの...それはアルツハイマー病の早期発見と早期治療です
アルツハイマー病①でも書きましたが、発症の原因となる「アミロイドβ」と呼ばれるタンパク質は症状が現れる10〜20年も前から蓄積されだしています
それを「どこに」、「どの程度」溜まっているかを可視化する方法ができつつあるそうです
これまで脳にアミロイドβが蓄積しているかどうか調べるには注射器を使って「脳脊椎液(脳の周囲や脊椎の周辺を満たしている液体)」 を背骨の近くから採取して調べる方法しかありませんでした(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
手軽な方法とはとても言えません
そこで開発されたのは「陽電子放射断層撮影(Positron Emission Tomography):略してPET」を用いた「アミロイドPET」と呼ばれる診断法です
放射線を出す検査薬を注射して、その薬が発する放射線を外部から検出し体内を画像化する手法だそうです
よくわからないけれどつまりアルツハイマー病診断用のレントゲン撮影的な感じ?でいいと思われます
検査薬にはアミロイドβとくっつきやすい化合物を使用します
この薬を投与することでアミロイドβだけに目印をつけることができ、その結果、脳の「どの部位に」、「どれだけの量」が蓄積しているか知ることが出来るそうです
投与する化合物の種類を変えることでアミロイドβだけでなくて「タウ」というタンパク質にも対応できるようになったそうです(その場合はタウPET)
タウの蓄積はアミロイドβの蓄積よりも直接的にニューロンの死を引き起こす為、アルツハイマー病の早期発見により役立つそうです
また、なぜアミロイドβとタウの蓄積する場所が違うのか、どのようにしてそれを引き起こしているのかなど未だわかっていない事柄についてアミロイドPETとタウPETを併用することでさらに研究が進展するだろうと考えられているそうです
その他にも、血中のタンパク質を測定することでアルツハイマー病の発症の兆候を掴む方法!「バイオマーカー」の探索が行われています
バイオマーカーとは病気の進行度に応じて生体内に含まれる量が変化するタンパク質などの物質のことです
簡単な採血などでアルツハイマー病の進行度合を診断することが出来れば、物忘れなどの自覚症状がない段階から進行を食い止める処置を行うことが初めて可能になるそうです
血液中「アポリポタンパク質(A1)」、「トランスサイレチン」、「補体(C3)」という三種類のタンパク質の濃度が低い人ほど認知機能が低下していることがつきとめられています。
より良いバイオマーカーの探索、バイオマーカーの開発はアルツハイマー病の早期発見だけでなく創薬研究の速度をさらに高めることにも繋がります
超超高齢社会の進行と技術の進歩。勝つのはどっち?
次は「認知症の薬」についてまとめて見たいと思います。