孤高の底辺。うんこ拭き(介護福祉士)おじさんの戯言ブログ💩:®️

“奴隷(介護職)”をクビになって、“社畜(葬祭屋)”になってまた介護職に復職したおっさんの随筆集✍️

戯言ブログの戯言語り①

僕「必ずしも長生きすることが幸福なことではないよね?」

 

同僚「....いきなり人類最大級のタブーに触れるのやめてくれる?」

 

僕「日本だけじゃなくて世界全体で人間の数は増えすぎてるし、個々の寿命もどんどん増大してる。もちろん健康長寿は素晴らしいことだし、貧困や飢餓や内戦や戦争やテロや災害なんかで幼い子たちがバタバタ無くなっている国や地域もまだたくさんある。」

 

同僚「NGOの方ですか?底辺ウンコ取り(介護)の癖にえらい偉そうなこと言うね。」

 

僕「この国に限って言えば、どこまで増えるかもわからない膨大な医療費や社会保障費、世代間格差に貧富の差、少子高齢化過ぎる社会をこのまま維持し続けていくのって不可能じゃない?」

 

同僚「だいたいその辺りはみんなやばいのわかりきってるけど日本人らしく、見て見ぬ振りして、先延ばしして臭い物に蓋。どこかのエリートや偉い人がどうにかしてくれるでしょ。きっと。」

 

僕「どこかのエリートや偉い人は俺らよりよっぽど、もう詰んでるのわかってるはずだからそんなことしないよ。古今東西、どんな社会でも富裕層や支配者層は自分たちのことしか考えないし滅ぼされるまでそれは変わらない。今の世の中じゃもう絶対に滅ぼされないし。」

 

同僚「ですよね。マリー・アントワネットはお菓子とハーゲンダッツずっと食べまくるんだろーね。勝ち組富裕層と永遠の労働者階級。現代のことを「新しい中世」なんて呼んでた社会学者もいたね。」

 

僕「身分制度ヒエラルキーがあった中世と違って今じゃ、収入やらなんやらの縛りや、人間のタイプ別の棲み分けがくっきりしすぎていて結婚したり、子供産んだりすることの出来る生殖階級とただただ自分の生活を支えることだけに必死な労働階級に分かれてる感じ。」

 

同僚「そう考えると中世というよりも蟻や蜂なんかの昆虫や、動物の社会みたいだよね。ただ、そう思うのってお前が本当のど底辺だからで、大半の人たちはまだそこまでは考えても思ってもないと思うよ。なんとか飢死にしないだけの生活は出来てるわけだし」

 

僕「たしかにやたらとミサイル撃ちまくってくるお隣の国やら、中東の紛争地帯、第三世界の貧困国に比べたらこの国で暮らしてられるってだけでこの上なく幸福なことなんだけど、それもいつまで続けられるのかな?社会問題山積みでお先真っ暗なこの国の50年後ってどうなってるんだろーね。」

 

同僚「お前、なにさま?」

 

僕「だから戯言(ざれごと)なんだってば」

 

僕「話を始めに戻すけど、人間ただただ長生きすることが幸せでは決してないよね。世の中みんなで「健康寿命延伸!」なんて謳ってはいるけど実際どの程度、実現できているのやら。」

 

同僚「ある程度の資産や、QOLやADLを維持したままで老後をお迎えになっている神様(老人)たちも大勢いらっしゃるけど、そうじゃない人たちもいるし、「その先」の事も俺たち(介護職)はよくよく知っている。」

 

僕「長寿を幸福と思うのはある意味当然のことではあるのだろうけど、その「生きている」って事を「バイタルサインが発生している状態を維持している事」だと捉える人はまぁいないだろうね」

 

同僚「実際には気管切開して管を挿入して、腹部に胃瘻を増設して栄養剤を流し込んで、拘縮して固まった身体にオムツを当ててベットの上で寝たきりになってる人たちもたくさんいる。数分おきに喀痰吸引を施して横になったままお風呂に浸からされて意識があるのか無いのかもわからない。」

 

僕「この仕事してて口にしていいことでは無いけれど、どうしても悲しいしグロテスクだと思ってしまう。」

 

同僚「それでも本人に生きる意志があるのなら、当然そこには生かす義務があるのだけどただ、家族が年金欲しさに延命している事例を俺たちは数限りなく見てきた。」

 

僕「今の老人達はたくさん年金貰ってる人もまだ多いし、医療費の負担も少なくて済むからね。言い方悪くても寝たきりにしてるだけでお金が入ってくる人も大勢いる」

 

同僚「病院はベッドに空きを作らなくてすむし、生かしておけば無限に医療費(儲け)が発生する。」

 

同僚「当事者以外はみんなwin-winだね」

 

僕「みんながそれを望んでこーゆー仕組みになってるのかな?」

 

同僚「きっとそんなことはないだろうね。いまベッドの上で寝たきりになってる80、90歳の神々のところにドラえもんからタイムマシンを借りてそれを伝えに言ったら「そんな風になってまで生きていたくない」っていう人だって中にはいるだろうし」

 

僕「重ねて言うけど戯言だけどね。」

 

僕「提案なんだけど、誰もが介護保険料を払う歳(40歳)になったら病院や施設を見学なり体験なりして、自分の老後について考えた方がいいと思うんだよね。そうすれば健康管理や維持にも少しは真剣になるだろうし、なんならある程度の年齢になる前に「自分は将来、尊厳死を望みます」っていう選択肢があったっていいと思うの。」

 

同僚「それってもう殆ど徴兵制に近いとおもうんだけどまぁ悪くない。ただ実際に、事前に尊厳死の選択をしたからって将来、認知症状が出てきたら意志の確認も出来なくなるし、自分がそういった状態(寝たきり)になったら気も変わるだろーけどね。」

 

僕「そもそも日本には安楽死や、尊厳死に関する法制度や議論なんてほぼ皆無だし。世界一の長寿国で、世界一の少子高齢社会なのにそこらへんに目を向けないのは流石というべきか...」

 

同僚「例えばいま現在、お医者さまが患者にもう終わりにしてくれって懇願されたとして、それに手を貸したらそれは殺人罪かよくて自殺幇助として罰せられます。」

 

僕「国やらアメリカの州によっては法的に尊厳死が認められているところもあるけれど日本では犯罪(殺人)だからね」

 

同僚「今のまま超格差社会で老後を迎えて、満足に生活も送れないし医療や介護を受けるのもままならないって人が増えてきたら尊厳死を望む人も増えそうだよね。」

 

僕「必要なのはブラックジャックよりDr.キリコってこと?」

 

同僚「身もふたもないけどね。」

 

同僚「このまま医療技術や生命科学が発展し続けたとして、人間が、金のある長命種と、金の無い短命種に分かれたりして笑笑」

 

僕「30年前ならただのSFの物語だけどこれからなら十分ありえるね」

 

同僚「みんながハッピーな世界ってどうやったら作れるんだろーね?」

 

僕「まぁ結局、戯言(ざれごと)っつーか戯言(たわごと)なんだけどね。」

 

 

 

 

 

 

fin.