アラサー介護の戯言ブログ。

アラサー介護職(♂)の憂さ晴らしです。。

番外編 介護スナック 「認知棟」

僕「介護職じゃ食っていけないから死堕亞を辞めて介護スナックを始めたよ。介護スナック「認知棟」。高齢者と認知症のひとを対象とした飲み屋さんなんだ」

 

同僚「あー、「認知症カフェ」とか流行ってるもんね。ここら辺は老人の老人による老人の為の過疎地域やし需要あるんじゃない?」

 

僕「独居老人が孤独死してた空き家を使わせてもらってるんだ。たまにお客さんから金縛りにあうとか、誰かに足を掴まれたとか、耳元で呻き声がするとか言われるけど多分気のせいだね」

 

同僚「ですね!」

 

僕「マーケティングはバッチリだよ」

 

僕「まず入店するには本人とキーパーソンの「もし、お酒を飲んだりその他諸々のことで店内で突然死んだり、救急搬送されたりどんな状態になっても一切文句は言いません」っていう同意書へのサインが絶対条件なんだ」

 

同僚「ゆき届いているね」

 

僕「めちゃくちゃ山奥にあるから救急搬送された場合、最寄りの病院まで最短でも1時間かかるんだ」

 

僕「営業時間はAM4:00〜PM22:00。夜間の徘徊や異様に早起きの彼ら彼女らに合わせてるんだ、介護者の家族も「最後の晩餐」とか言ってもりもり要介護老人達を連れてきてくれるんよ」

 

同僚「夜間の労働(徘徊)明けの一杯は格別だろーね!」

 

僕「ビールにもとろみ付いてるから全くゴクゴクは飲めないけどね」

 

僕「お通しはお餅!」

 

同僚「腹持ちがいいね!」

 

僕「しかもラキソベロン20滴までは無料サービスなんだ」

 

同僚「優しい配慮だね」

 

僕「お客さんは経口摂取が可能な人ばかりではないから、ホステス(オバヘル:無資格)が点滴を繋いで血管に直接ウォッカテキーラを投入したり、胃瘻に経管栄養をぶち込んだりしてくれるんだよ」

 

同僚「幅広い客層に対応してるんだね」

 

僕「話題のデカ盛りメニューもあって、お餅盛り合わせ(2.5㌔)を五分以内に完食すると葬儀場と火葬場の無料サービス券が貰えるんだ」

 

同僚「地域と連携して高齢者を見守っていくのってとても大切!」

 

僕「いまのところ達成した人はいないけど参加してくれた人にはみんなに無料サービス券を配ってるんだよ」

 

同僚「なぜだか急に必要になったんだね!理由は全く不明だけど」

 

僕「年金支給日には全メニュー価格三割増し!お通しのお餅二倍!」

 

僕「奥にVIPルームがあるんだけどそこには要介護3以上の選ばれし者たちしか入れなくて、なぜだか一度中に入った人は二度と出てこないんだ....」

 

同僚「不思議だね」

 

僕「お財布が心もとない人の為に会計が心配ならホステス(オバヘル:前科有り)が通帳と印鑑を預かって銀行でお金をおろしてきてくれるんだよ!」

 

同僚「優しい心遣いだね」

 

僕「盛り上げ役のホストがいて一緒にカラオケをしてくれるんだ。54歳の中年童貞の田中さん(鬱病)が昔懐かしの軍歌か般若心経を熱唱してくれるんだよ」

 

同僚「O・MO・TE・NA・SHIの精神やね」

 

僕「田中さんはよくお客さんとトラブルを起こして「表でろ」って言われるんよ」

 

僕「価格もリーズナブルで入店料が1人¥200,000から、基本的に時価だけど生中がだいたい¥40,000かな」

 

同僚「お金持ちな老人たちには妥当な値段だね!良心的!」

 

僕「じぶんがいま、何頼んだとか会計幾らかとかは全く把握できないだろうから全部お店側で管理してるんさ。河川敷の橋の下で40年間修行したシェフの自慢の料理が自慢なんよ」

 

同僚「自慢の料理が自慢?」

 

僕「一番人気は「シェフの気まぐれセット(¥60,000)」で代表的なメニューは、「そこらへんの草」と、「お皿に乗っけた丸めたティッシュ」なんだ。ちなみに今日は気まぐれでパチンコに行っちゃったよ。勤務時間内なんだけどね」

 

同僚「シェフのこだわりと技術がお皿に凝縮されているね!」

 

僕「二号店の介護BAR「誤薬」と、3号店の介護レストラン「身体拘束」も続々オープン予定なんよ。地域に根ざしながらお客さんの笑顔の為にもりもり拡大していきたいんだ!」

 

同僚「意識他界...意識たかいね!」

 

僕「車でお越しのお客さんのために代行サービスがあって帰りはタクシー(運転手は認知症。免許証返納済、94歳)か、霊柩車も手配できるんだ。お土産も付いてきてお餅か玉手箱かのどちらかから選べるんよ」

 

同僚「これはもう常連になるしかない!!」

 

 

 

 

 

fin.