孤高の底辺。うんこ拭き(介護福祉士)おじさんの戯言ブログ💩:®️

“奴隷(介護職)”をクビになって、“社畜(葬祭屋)”になってまた介護職に復職したおっさんの随筆集✍️

親から虐待されて育った大人[14]

卸売業会に就職して一月くらいで気付いたのですがこの業界には休日がありません。

 会社説明会の時には就業規則に...

 

勤務時間 5:00〜15:00

週休 2日(市場休含む)

 

となっていたのですが嘘でした。

 カレンダー上では日曜日が休日。それとあとたまに「市場休」といって水曜日が休みの日がありました。日曜と水曜が休みで、その前日の火曜と土曜は朝の競売をやって諸々の片付けをしたら仕事は午前中で終わり!!5:00〜12:00時くらいで上がれました。...なのですが必ず帰る前に「休日出勤願い」を提出して翌日の休みのはずの日曜日と水曜日にも午後から出勤してこなければなりません。

 

365日24時間体制で「生鮮食品」を取り扱う「流通業」なので当然のことです。

農作物の生育も収穫も一切待ってなんかくれません。

 

年末年始やお盆やGWのような世の中の「連休」の時にだけ、それぞれ1日ずつくらい丸一日会社に出勤しなくてもいい「休日」がありました。

 それ以外は本当に誇張なく1年365日中360日以上は出勤日でした。

 

1日の中の勤務時間も就業規則に載っている5:00〜15:00はブラフで、実際は5:00〜20:00前後なのが常でした。

 

毎日、市場内の仲卸から翌日に納品する品物のオーダー表が上がってくるのですが、これが届くのが(FAXで)だいたい16時過ぎから(自分たちの勤務時間は15時までのはず....)それから荷分けやら別の市場に送る品物の整理、分類、送り状を作って、日本全国から出たり入ったりしてきているトラックへの積み込みと荷下ろし。

 

 事務所から現場に降りての作業も、もちろんあったのですが市場の営業職の主な役割は、季節ごと時間ごとに全国津々浦々から押し寄せる膨大な品物(自分が担当の青果物)をブドウの一粒たりとも無駄にすることなく鮮度と価格を保ったまま捌ききることでした。

これがとんでもなく難しい。

 

どんな仕事でも当たり前のことですが、市場は特に責任と緊張感と仕事量と影響を及ぼす範囲がとにかく莫大でした。

 

天候や交通状態、生産者や組合や仲卸やバイヤーや小売りのニーズや都合....仕事の八割以上は自分たちの前と後ろにいる皆々様の理屈で動いていました。

 

大学を出たてだった当時の自分(22歳:営業職)の直近の先輩は25歳でその次に年の近い同じ営業職の人は36歳....!!

つまり25から36までの間の11年間に採用されていた営業職(この会社は営業職は全員男)は、耐えられなかったのか務まらなかったのかで全員退職していました。

 

そんな超ハードモード、難易度Sランクの市場の中でも自分の担当だった「輸入品部門」はちょっと毛色が違いました。

 

他の品目の担当者は「集荷」をして価格を決めて販売するのに対して輸入品部門は所謂「商社」から「買付」をして「販売」をします。

輸入品以外の青果市場の品物は仕切った価格そのまんまで売ったとしても、

 

蔬菜(野菜)8.5%

果実(フルーツ)7.0%

 

のマージンが入りますが(率はうろ覚えです。市場の主な収入源(利鞘)はこれです)、輸入品は買付なので利益の計算はもっとシンプルです。

 

 例えば、一箱20個入りのオレンジを10箱買ったとします。一箱の値段が1,000円だったとしてそれを自分は1,200円で販売すれば...

 

原価

¥1,000×10=¥10,000

販売価格

¥1,200×10=¥12,000

 

販売価格(¥12,000)-原価(¥10,000)

=¥2,000(儲け)

 

となります。

 ね?シンプルでしょ。

 

そこにトラックの運送費やら、東京、神奈川、大阪、神戸あたりの港の埠頭の倉庫の使用量やらのコストが乗っかって最終消費者(エンドユーザー)に対する販売価格が決まってきます。

 ただの買付→販売なので実は、輸入果実は利益率がとっても低くて2〜4%前後でした。

 

もうすでにだいぶ昔のことなのでうろ覚えですが....

 オレンジやグレープフルーツやバナナならドール、パイナップルだったらデルモンテキウイフルーツだったらニュージーランドゼスプリ社あたりが主な取引先でした🍌🥝🍋🍊🍇

(※↑日本の支店を通して)

 

ゴールドキウイとかいうとだいたい誰でも知ってますよね?

あれは、全世界でその年ごとの解禁日が決まっていて、なおかつどのサイズは幾らと価格も一律に決まっているのでとっても売りにくい商材でした。

みんなが原価を知っていて販売価格が同じなら、売り手側がどれだけ利益を上げようとしてるかも丸わかりだし、誰から買っても値段が一緒だからです。

 

ちなみに普通の緑色のキウイフルーツは、ほとんどが「ヘイワード」という品種です。

 ゼスプリ社の企業努力のおかげかキウイフルーツというとニュージーランのイメージが強いですが、実は元々は中国が原産。中国を旅行していた教師だか誰だかの女性が種だか苗を国(ニュージーランド)に持ち帰り栽培し始めたそうです。なので昔は名前が「キウイフルーツ」ではなくて「チャイニーズグーズベリー」という長ったらしい名前だったそうです。

 当時は、名前に「ベリー」と入っていると関税やら税関?のあれこれが高くなるかしたので、途中から名前をニュージーランドの飛べない鳥「キーウィ」にちなんで「キウイフルーツ」に変えたそうです。

このニュージーランド原産の飛べない鳥「キーウィ」と中国原産の果実「キウイフルーツ」は、なんとなく見た目が似ています🥝

 

他にもマイナーなところを挙げると、ランブータン、キワノ、チェリモヤ、サラカ、フェイジョア、アテモヤ、パッションフルーツなどなど、ぶっちゃけコレ誰も知らないんじゃねーの?って商材がたくさんありました。