どのみち死なねばならぬなら、私は、なっとくして死にたいのだ。by梅崎春生
僕「キューブラー・ロスの死の受容過程について知ってる?」
同僚「第1段階:否認(否認と孤立)、第2段階:怒り、第3段階:取引、第四段階:抑うつ、第5段階:受容のこと?」
僕「逆になんで知ってるの?」
同僚「てへぺろ❤︎」
キューブラー・ロスの死の受容過程
第1段階:否認(否認と孤独)
死の運命の事実を拒否し否定する段階です。周囲から距離を置くようになります。
第2段階:怒り
死を否定しきれない事実だと自覚したとき「なぜ私が死ななければならないのか?」と問い、怒りを感じます。
第3段階:取引
死の現実を避けられないかと「神」と取引します。
第4段階:抑うつ
何をしても「死は避けられない」とわかり、気持ちが滅入り、抑うつ状態になります。
第5段階:受容
死を受容し、心にある平穏が訪れます。
僕「概ね、人が「死ぬこと」がわかってから受け入れるまでの流れは上のようになってんだって」
同僚「よく介護福祉士の国試にも出るやつだもんね。かなり簡単な部類。利用者のそれぞれの段階に合わせて、介護職員の望ましい態度ってマニュアルがあったり...」
僕「最近だと受け入れる過程かそれよか前から「死ぬ時にどうするのか?」、「死んだ後どうするのか?」について事前に決めたり周囲と話し合うのが流行ってるね。リビング・ウィルってやつ。本人の意識がはっきりしているうちに、自分の死に方について家族に伝えておくことを言うんだって。終活ってやつ?」
「ウィル」は遺言状を指しますが、「リビング(Living)=「生前の」」という意味があり、「生前に発行される遺言状」をいいます。具体的には尊厳死を望むという自分の意思をあらかじめ周囲に伝えておくことです。つまり、確実に死が迫っており意識がない状態に陥った時に、心肺蘇生、人工呼吸器、経管栄養、大手術、輸血、透析、抗生物質の投与などの生き永らえるための対処的な処置を行わないといった希望を伝えておくことを言います。
尊厳死とは、患者が自らの意思で人工呼吸器の装着などの延命措置を望まず、自然な形で最期を迎えることをいいます。
傷病により「不治かつ末期」になったときに、自分の意思で、死にゆく過程を引き延ばすだけに過ぎない延命処置をやめてもらい、人間としての尊厳を保ちながら死を迎えること。
(日本尊厳死協会)
僕「「どうやって死ぬか?」を自分で選ぶってことね。尊厳死と安楽死って何が違うの?って聞かれるとこれがまた難しくていくつかの分類がなされています。安楽死については...」
積極的安楽死
患者に致死薬などを投与し死なせる行為
消極的安楽死
治療を中止して患者が死ぬに任せること
①狭義の安楽死
具体的には、医師が患者に致死薬を注射して患者の生命を終結させる行為などを指す。
②医師による自死介助
医師が直接、患者に致死薬を投与するのではなく、患者に致死薬を処方し、患者自らそれを服用して、生命を終結させることなどを指す。
①と②を合わせて広義の安楽死という用法がオランダなどでは使われている。
③生命維持治療の中止
消極的安楽死と呼ばれてきたものであるが、あくまで臨床上の方針として、生命を維持するための様々な治療を中止することあるいは開始しないことをさす。
(⬆︎⬆︎「本人の意思の元に」行われればこれが一番日本の尊厳死に近い気がする)
僕「ただ、本人の意思に基づいてであっても医師が治療を中止したり、致死薬を処方したりすると日本だと大方の場合、殺人になる。これからどうなるかわからないけどまだ、国内では安楽死(尊厳死)に関する法整備どころか議論すらほぼない状態だから望むと望まないに関わらず日本では出来ません。世界一かつ最前線の超超高齢社会でこれから間違いなく「多死社会」になっていくんだからむしろ率先して考えろよって思うんだけどね」
同僚「病院やら医療者やら、施設や介護職やら個々の死に方や死生観についても大転換になるだろうね。そしたら葬儀屋さんとかも大忙しになりそう..」
僕「そこらへんはどこぞのアマゾネス帝国の女帝であらせられる獰猛過ぎる女社長様がきっとどうにかするに違いない笑」