孤高の底辺。うんこ拭き(介護福祉士)おじさんの戯言ブログ💩:®️

“奴隷(介護職)”をクビになって、“社畜(葬祭屋)”になってまた介護職に復職したおっさんの随筆集✍️

神様、動物、廃棄物

「つき合いきれませんな こんな茶番をしている間にもなにものにも変えがたい時間は出血しつづけている」

by大英帝国王立国教騎士団(通称ヘルシング機関)局長 インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング

 

同僚「転職しようかな?」

 

僕「また言い出したー」

 

同僚「いや、マジだって!だって今のとこ勤めだしてもう二年になるけど俺らずっとパートだよ?このままでいいの?」

 

僕「よくない」

 

同僚「他の施設に移るでもいいけど、介護職を脱出するなら早くした方がいいよ!アラサーじゃなくてそろそろアラフォーだよ俺たち!!」

 

僕「それは言わないで....」

 

同僚「ところでそっちはどんな具合なの??」

 

僕「んー。。こっち(出向先の支店)もえっぐいよぉ 人手不足はそっち(自分の所属)より酷い だから応援行かされてるんだけどね」

 

僕「どこもかしこもだけど職員が足りな過ぎる。満室で入居者が75人いるから法的には職員はその三分の一。つまり25人はいないといけないんだけど紙面の上でワーカー(介護職)が17名。ナースが5人いて、自分を含めてよそからの応援が2人、これで24人。そこに事務員やら管理職を入れて合計30人で運営していることになってるんさ」

 

同僚「で、実際は?」

 

僕「紙面上でいることになっている17人のうち、実際はもう退職していたり、これから退職するから有給の消化に入ってる人や、介護業務には携わらない清掃のおじさんとおばさん2人も「介護職」にカウントしてる。平日の日勤帯だけのパートの奥様たちや、週に一回、夕方から夜にかけて数時間だけくるバイトみたいな人もいるから事実上、通しで業務に当たってる職員は10人前後かな」

 

僕「そこから早番、日勤、遅番、夜勤なんて分けられないから、みーんな朝から晩まで出ずっぱり。俺はだいたい7:00〜19:30の流れで定着してる」

 

僕「そのせいか、看護師さんたちや清掃員の人たちも介護をめっちゃ手伝ってくれる!事務員やケアマネさんたちも食事の介助してくれてるし、もう回すのに必死って感じ」

 

同僚「うわっ....」

 

僕「看護師さんたちも不本意だろうけど介護の領分のことを手伝ってくれてるんさ。「より高度で専門的な」はずの彼等彼女等が木っ端仕事のこっちのことやってくれるなんて本来なら考えられない。。みんな状況わかっているから一丸となって働いているのは凄くステキ」

 

同僚「キッツい神様(入居者)いる?」

 

僕「いるいる。それはもうどこでも変わらない。病態や症状以前に、人格がもうやばい人たち。喚き散らして暴れ狂うタイプの認知症の人も中にはいるけど超高齢の婆さまやから、なにかせいぜい「凶暴なチワワ」くらいな感じ。本当にやばいのは若めの(50代後半〜60代)くらいの話しがまるで通じない身体の大きな爺さんたち。「俺様最優先」系の人や、よくいる「片麻痺高齢独身男」。なにもかも自分の思い通りにならないと許せなくて職員を奴隷か何かだと思ってる人たち」

 

同僚「王様気取りでたいていすごいクレーマーなんだよね」

 

僕「その通り。こっちの一挙手一投足から、細かい手順まで、なにもかもに口を出さなければ気が済まない。気に入らないことがあれば怒鳴りまくる。車椅子の玉座に座った暴君たち」

 

同僚「精神疾患系のヒス婆さん達も大変だよね。死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ言いまくる人たち」 

 

僕「ネロや西太后もびっくりやねー ものごとに対する執着が強いのや、感情や自制や理性のアクセルとブレーキが壊れているのは神様達(高齢者様)の基本ステータスやけどね」

 

僕「これだけ人手不足の劣悪な環境の中でもこっちの職員さん達、本当によく頑張ってるとおもう。俺みたいな意識低い系介護福祉士と違って無資格でも文句ひとつ言わずにめちゃくちゃ献身を捧げている人が何人もいる」

 

同僚「介護職の鑑やね」

 

僕「そのとーり」

 

僕「現状をしっかり認識していてそれでも尚、介護職に就くっていうのは「自分の生活を投げうってでも障害者様や高齢者様への奉仕と献身に人生を捧げます」って誓いを建てることやからね」

 

同僚「聖職者か騎士かなにかなのかな?」

 

僕「たいていは行き場のない奴らの吹き溜まりなんだけど」

 

同僚「それだけ尊い決意と熱意を持って働いている人たちが、なんでこんなにも薄給重労働の酷い環境に置かれちゃってるんだろー?」

 

僕「生物としての群体としての社会としての国家としてのシステムとしての民族としての人間としての限界に達しつつあるからじゃない?」

 

僕「はじめは一月だけと言われていた出向も予想通りというか思った通りというか結局延長されたからね」

 

同僚「パートのくせに本当にいいように使い潰されてるね。春先までは戻れないんだっけ?」

 

僕「そうなる予定。」

 

僕「この前、同業の歳下の女の子2人とご飯食べる機会があったんやけど(奢りで)女子らしく恋愛やら結婚の話になったから「同業者(介護職)の男を選んだり相手にするのってアリ?」って聞いてみたら「絶対ムリ」って速攻でレスされたよ」

 

同僚「現実って時に人を傷つけてしまうんだよ」

 

僕「正直なのは良いことだけどね♪」

 

同僚「うん。......やっぱり俺は転職しよっかなあー」

 

 

 

 

fin.