20XX年
超超超超高齢社会と北の国からの核ミサイルの一斉爆撃で、一瞬にして焦土と化した元日本列島。
米軍は「本国防衛」のため撤退。自衛隊は「ある条文」の縛りで初動が遅れに遅れ、なにも出来ずに壊滅。
九州以南はあっという間に中国に占領され、北海道と東北地方は新ソビエト連邦の「保護」下に置かれた。
辛うじて占領を免れた甲信越・関東地方は荒れに荒れ、地獄の釜の底のような状態。.......しかし、止まらない高齢化はじわじわとその触手を広げていくのであった...
ブロロロロッッ
バババババっっ
(V8気筒車椅子と違法改造押し車で群れをなしてやってくる老人たち)
ブォンブォンっ
キキィーーー
ガタンっ
(舞い上がる砂埃)
老人たち「「ヒャッハーーー俺たちはぁぁ「敬老者」様ダァァァァ」」
住民たち「キャーーー」
(逃げ惑う住民たち)
老人(63才)「電車の座席は俺たちのものだぁぁぁ」
住民A「は、早く、家の中に入って鍵をっ🗝!」
ダダダダダっ バタンっ バタンっ
(静まり返る集落)
火炎放射器装備型電動三輪車に乗り、ありとあらゆる装飾品を見にまとった老婆が前に進みでる
老婆「これよりいいいィィ、介護保険料を、徴収するぅぅぅぅ」
家の中から出てきて老人たちと対峙する一人の男性
住民B「おととい支払ったばかりじゃないかっ!!もうこれ以上搾り取られたら...」
ドン!
バタリっ
地面に倒れふす住民B
子供「お父さんっっ」
かけ寄る少年
硝煙をたちのぼらせる仕込み4点杖を構えほくそ笑む老人
老人「なんだと?もっと敬意を払ったらどうなんだ?俺たちは「敬老者さま」だぞおっっっっ ヒーーハァァーー」
少年「そ、そんなこと言われたってうちにはもうあなたたちに、払えるものなんてなにもないんです!!お母さんもお姉ちゃんも「介護をさせる」って連れていかれたし、お父さんまで倒れちゃったらもう食べていくことが...」
老人「喧しい!つべこべ言わずお前たちはもっともっと働いて俺たちに貢いでいればいいのだっ 悔しかったらお前も早く敬老者(老人)になるんだなっ」
老人たち「ギャははははは」
老人「それとも、3,500万人の我々高齢者と戦争でもするのか?富裕層はみんなこっち側、政治家も大票田の俺たちの言いなりだ ヒャッハーーー」
政治家A「ふはははははっ!!刑事訴追の恐れがある為、お答え出来ませえええええええええええええんっっ」×100
官僚A「セクハラ?証拠あんのかよ?証拠おぉ!!被害者がいるなら名乗り出てみろよおおおおぉぉ!!」
少年「くっ...こんなの...こんなの間違ってる....」
(場面転換) 病院の待合室🏥
立ちこめる尿臭と便臭
待合室を占拠する元気そうな老人たち
部屋の隅には便汚染した脱ぎ散らかされた衣類が放置されている
病院の外には餓死した若者の死体が転がっている
老人「もっともっと酒とジュースを持ってこいっ!!水分制限?糖尿病?そんなの関係ねぇ ヒイイィーハあああーー」
老人「おい!トロミ薄いぞ」
ガシャーーン
床に投げ捨てられるグラス
慌てて走ってきて、割れたグラスを片付ける疲れ切った介護職の若い女性
老人「ふしゃしゃしゃしゃしゃしゃっしゃ、しっかり片付けるんだぞおおおおっ、もしも徘徊している我々が踏んで怪我でもしたら、業務上過失傷害で訴えるからな!!」
介護職A「食後の内服をお願いします...」
老人「こんなもの飲めるかっ」
介護職A「あっ!!」
払い落とされる錠剤
床に散らばっていく
老人「げへへへへへっいいのかぁ〜〜、誤薬は重大インシデントだぞぉぉぉっ〜」
這いつくばって床に散らばった錠剤をかき集める介護職
介護職A「お願いしますっ、内服を...内服をしてください...」