宮殿のような介護施設
足に付けられた鎖を引き摺りながら給仕をする介護職
介護職C「美智代さま、、美智代さま、昼食でございます。席におつきください.....」
美智代(要介護2 認知症高齢者の日常生活自立度ⅲa)「家に帰る!家に帰る!家に帰る!家に帰る!!!家に帰るるるるるるるるるるRU r」
介護職C「もう帰る家なんて無いのに....」
プシュップシュップシュップシュップシュップシュッ
シュコーシュコーシュコー
健造(要介護4 認知症高齢者の日常生活自立度ⅱa “玉座(便座)に座る者”)「煩い!!煩いっ!!うるさああああい!!!! 早くそいつをどうにかしろおおおおおおっっ シュコーシュコー」
介護職C「は、はい すぐにっ....」
介護職C(60人もいる老人たちに一人で給仕と食介...出来るわけがない...)
かつかつかつかつ....
広いホールに反響するハイヒールの足音👠
かつかつかつかつかつ...
かつかつかつかつかつ...
介護職C「!!!?」
介護職C「あ、貴女は...!!」
シュシュん!
瞬時に義歯と補聴器を装着され、エプロンを着けて着席させられる美智代
一同「「!!!!!!!」」
建造「バカな...介助動作が視認できなかった..!!あの、「無限に廻る者」美智代をいとも簡単に着席させるだと..!!?」
ホールのシャンデリアの逆光の中、シルエットが浮かび上がる中年介護職(推定50代:推定体重90キロ以上)
建造「...ヘルパー?..いや、実務者研修修了者?...ま、まさか!介護福祉士!?」
中年介護職(ニヤリ)
建造「........その上か。」
介護職C「あ、貴女は「悔悟負苦死使(ヒトバシラ)」の、江口さん...!」
江口「アラアラ、人員基準にも減算基準にも満たない違法介護施設があると聞いたから来てみれば、酷い有様ねここは。管理者はどちらにいらっしゃるの?」
介護職C「ここに、管理者はいません。看護師も、ケアマネも機能訓練指導員も、入居相談員もいませんっ いるのは無理やり拉致られて働かされている未経験の介護職と踏ん反り返ったボケ老人だけです...ぐすん。」
江口「片付けないといけない問題が山積みね、でもまずは....」
(カバのような太くて短い足を優雅に組み替えながら)
江口「食事介助と内服と、口腔ケアとパット交換を終わらせる」
介護職C「む、無理ですよ!これだけの人数の神様(老人)たちを、たった二人で捌ききるなんて」
江口「??あら?誰が二人でやるなんて言ったかしら?」
(懐からシガリロ(細葉巻)を取り出し火打ち石で着火しながら)
介護職C「ま、まさか!」
江口「わたし一人でやるわ。貴女は食事量でも記載していなさい」
介護職C「江口さん....」
(尊敬の眼差し)
プシュッ!プシュッ!プシュッ!プシュッ!プシュプシュップシュップシュップシュップシュップシュップシュップシュップシュップシュップシュップシュップシュップシュップシュッ!!!
カッ!!
どっカーーーーーーーン
突如、炸裂する閃光
燃え上がる火柱
ゴゴゴゴゴゴゴゴっ
建造「ゴチャゴチャゴチャゴチャ!なにを戯言をっ...!」
(酸素吸入用のボンベとカニューレを浮かび上がらせながら、宙に浮かぶ建造)
建造「たった一人で我々全員を、介護するだと?ハッっ!笑わせてくれる 今まで数多の介護職が過労と精神疾患で死んでいった。その屍の上に築きあげた我らが宮殿(介護施設)をたった一人で攻略しようというのか?」
江口「ええっそのつもりだけど?」
建造「ほっほっほ、覚醒した儂の介護度は53万。しかもまだ変身を二回残している.!..」
建造「見せてもらおうか?中年の介護職の性能とやらをっっ」
江口「...私が実力を出しきる前に臥床しないことを願うわ」
次回、江口vs.建造
カミングスーン!!
fin.