この国には「高齢者虐待防止法」という法律があります。
テレビや新聞記事でもう見飽きている、家族や施設の職員からの要介護高齢者への虐待。誰でも聞いたことがあると思います。
実はこの「高齢者虐待」というのは五つに分類されていて...
身体的虐待
精神的虐待
経済的虐待
放置・放任(ネグレクト)
となっています。
・身体的虐待
わかりやすい。おじいちゃんおばあちゃんが言うこと聞かなくてムカつくからってパンチしたり蹴っ飛ばしたり、紐で縛りつけたりするのがこれにあたります。あからさまな暴力でなくても「身体拘束」というのもこれに当たることを覚えておいてください。
・精神的虐待
罵声を浴びせる、暴言を吐く、怒鳴る、臭い・汚い等と言った発言もこれにあたります。誰かに虐待と思われたらなんでも虐待!そう考えてあながち間違っていません。
・性的虐待
言わずもがな。老人を対象とした介護施設ではあまりありません(0では無い)。障害者施設や訪問介護等で起こることが多いようです。
・経済的虐待
「おばあちゃんは使わないから通帳は私が預かっとくね」、「施設に入ってるおじいちゃんの年金で好きなもの買っちゃえ〜」。これ系です
利用者と、その家族と、利用者の金。
遺産争いいろいろ。ありふれた話しです。
・放置・放任(ネグレクト)
僕たち私たちには関係ない。やりたくないから介護なんてしたくない。汚いからトイレ連れてったり、オムツ変えるのなんて絶対に無理!
赤ちゃんや幼児の「育児放棄」と聞くとわかりやすいかもしれません。これは老人にも当然該当します。関係ないじゃ済まされない。以前勤めてた施設では介護放棄でガリガリに痩せたお風呂にも何週間も入ってないような老人が「措置入院」という形で入ってきたのが何件かありました。
ざっくりまとめましたが一口に「虐待」と言っても細かく書くと上のように分類されます
小難しいこと言わなくても要は、「女性様がセクハラだと思えばなんでもセクハラ」と同じで利用者本人やその家族が「それは虐待だっ!」と言ってくればなんでも虐待に出来ます。
介護サービスを利用しておられる神様達(利用者・家族含め)気に食わないことや気に入らない職員がいたら叫びましょう!
「「おい!それは虐待じゃないのかっっ!!」」
悪魔の証明や痴漢の冤罪と同じで言いがかりでも付けられたらその職員はそれでおしまいです。自分や周りの経験上ふっかけられたら弁明しようがありません。
現場のスタッフは意外と、誠心誠意一生懸命働いています(そうであるという願いも込めて)それでもどうしようもない状況に陥ることもままあります。
それに対処しようとしたとしてもそれが気に入らなかったら虐待にして叩き潰せばいいんです。
会社や上層部は当然、現場を無視して利益最優先で業務を進めます。その軋みと歪みを凡て受け止めなくてはならない現場のスタッフ達はもうボロボロです。
痛めつけて使い潰して教義にそぐわなきゃ追い出す。
一件落着。めでたしめでたし
でも、その後は。
現在の膨大な老人達とこれからくる膨大な老人達。その対処は誰がやるのでしょう?