俺の嫌いな介護業務の一つに"見守り👀"というものがある。(※嫌いな業務を一つ一つ集めて集計すると全部の介護業務になる)いくつもあるシフトの中のそれぞれで、何時から何時までは◯◯のフロアに待機して、フロアに収容されている要介護痴呆老人たちを見張っている👴👵👩🦼👀という業務だ。
はぁ？なんだそれめっちゃ簡単じゃん！楽でいいなぁと思われる人も大勢いることだろう。昨今のバカくそ暑い中を駆けずり回るタイプの仕事をしている人たちに対して、一抹の申し訳なさを覚えなくも無いタイプの業務だ🥵..
が、しかし
実際この"見守り"というやつ、めちゃくちゃ面倒くさくてなんなら1番神経を使うタイプのものの一つだ。
当たり前だけど"介護施設"という場所には語弊はあるが、正常な状態の人間は1人もいない職員側も含めて(※笑うところ)。濃淡はあるが全員が、身体、脳機能、精神、に問題を抱えていて正常な生活を送れないからここにいるという人らの収容所だ。そしてその全員を野放しの状態にしておかないといけないという最重要最優先の"掟"がある。(一切の僅かでもの抑制/拘束の激アツ禁止)
ただ、貼り付けただけのやーつ”48” - 孤高の底辺。うんこ拭き(介護福祉士)おじさんの戯言ブログ💩:®️
うちは特養なので基本的に長期の入居者の中には"自分で動ける状態"の人はいない👩🦼。だけれど、ショートステイという枠で短期で来ている人らの中にはびしばし歩き回れる人もいる🚶♂️。ここで、『自分で動き回れるなら介護の手間が省けてええやん』とおもうひとも大勢いるだろうが..実はそうではない☹️
(↑これ、奴隷商売(介護)知ってる人にはめっちゃわかる！ってなるけど、一般の人だと何言ってんのかさっぱりわからないと思う🙂)
介護度が重度で、寝たきりで動かない(動けない)人の介護より👩🦼、介護度の度合いが低くて動き回れる人の介護の方が、24兆倍大変なのである👨🦯。シンプルな言い方をすれば、頭がぶっ壊れているのに身体は普通に動くから制御不能という状態だ。そんでもってその制御不能状態の人を何人も詰め込んで、その全員を『どうぞご自由に動き回ってください。なにかあればすべての責任はその場にいた(見守り要員の)尻拭き奴隷(介護職)がとりますから』という風にしているのが見守り👀という業務である。うちの場合は30人くらいの"そーゆー人"らを1箇所に集めて1人の職員が見守りを行う。一瞬でも目を離せば、座っている椅子から転げ落ちたり🪑、歩こうとして転倒したり、立ちあがろうとして転倒したり、なにもしていなくても転倒する。意味がわからないと思うがそうなるのだ。
その見守りをしている間にも、忙しなくやることはあるから...業務の記載のあれこれ、洗濯物の片付け、コール対応、トイレ介助🚽、つぎにやるあれこれの準備や片付け..わかりやすくHUNTER×HUNTERで例えるなら常に"円"やら、他の言い方をするならワンピースの"見聞色の覇気"を全開にしていないといけないかんじだ😖..これで伝わるかな❓
フロア全体に神経を張り詰めさせながら、その場にいる30人の野放図に動き回る(実際は全員じゃないけど)要介護痴呆老人達の動きを、1秒1秒、完全に把握する。それをやらなければいけないし出来なければいけない。マジできついんだ。なんといってもとにかくリスクが大きい。
ここまでが前置き。
そんな"見守り" をしなけりゃいけない時間帯や要介護者の中には、必ず要注意人物👴がいてリスクと緊張感が凄まじい。なにかあれば当然、事故報告書やら、なんなら救急搬送🚑。流血沙汰になることだって珍しくないからだ。理解できないし意味がわからない人たちは『そーゆーもの』とおもっておいてもらえればありがたいです🙇
つい最近、自分が見ていた人の中にも要注意人物な爺さんがいた。指示も通らないし意思疎通も殆ど出来ない。もう十分過ぎる認知症なんだけれど、まだ身体は徘徊ができる程度には動ける。あっちにフラフラこっちにフラフラ歩き回って、他人の居室に入って荒らしたり、人が入っているトイレの中まで入って行ってしまう。手をとって誘導したり、ちょいと口を添えて椅子に座らせようとすると暴れる。手が出る🤛👊。大声で喚き出す。
これも尻拭き奴隷の間でしか通じないことだと思うけれどそういう"不穏"というのは伝染するものなので、出来るだけ避けたい事態なのだ。うまく捌けなければ、とてもとてもとても面倒くさいことになる。この時点ですでにめちゃくちゃ面倒臭いけれど。..上手いこと大人しくさせておく為には、まぁお喋りでもしながら座っていてくれるとありがたい。
椅子かソファに🪑🛋️。
そんな時、対象が雄👴の場合の俺なりの攻略法がある。
元来、人間の雄という動物が最も好む会話の内容..それは自分がどれだけすげーかをひけらかす事だ。とにかく自慢話をさせるように仕向ければ、延々とペラペラと話し出してくれる。話が逸れるけれど、雄というのはとにかく馬鹿で、とにかく自慢がしたくて仕方がない動物だ。自分が人と比べてどれだけ優れているか、昨日何時間しか寝ていないか、どれだけ喧嘩が強いか、とある集団の中で自分がどれだけ周りから"一目置かれた"存在であるのか、今までに何回骨折したことがあるのか、いままでに何人の女とヤっ...とにかくそういうことを話させればもう止まらなくなる。
さ さすが！
し 知らなかった！
す 凄いですね！
せ ※sexy
そ そーなんですね！
このサ行の単語だけで乗り切れるなんて話しも聞いたことがあったりなかったりする。その爺様は元は精肉業🥩？だかなんだかを営んでいたらしくて、その界隈ではだれも俺には頭が上がらなかっただかなんだかということを誇りにしている人だった。なのでそこら辺の話しを掘り下げる。こういう『商売やってた系』の老人たちは大抵、『昔は良かった』という話しを好む。昭和の終わり生まれのの"ゆとり世代"の俺にはまるっきり想像出来ないほど、日本が豊かだった時代の話だ。働けば働いただけ札束💴が転がり込んできて、売れば売っただけ売れて、自分も儲けて人にもデカく支払えた時代。。
東京タワー🗼がうんたらかんとか、なんとかオリンピックがどうとかこうとか..そういうことをニコニコ話してくれる..場合もある。『今の時分は可哀想だ』なんて言い出すこともある。なにもかもが悪くなって、なにもかもが衰退していく斜陽の時代の底辺にいる自分には少し眩しいくらいだ。
まぁそれも数秒か数分しか持たないんだけどね。
fin.
